● 労働条件の改善
看護師は夜勤もあり三交代制勤務、二交代制勤務、と変則的な労働形態になっていて、とても大変な仕事です。専門職だからと、勤務形態が当然のものとされてきました。
全国的な看護師不足のため、一人の負担が大変重くなり残念なことに、若く情熱と才能にあふれた看護師が数年の勤務ののち次々とやめていっています。
現在、国の医療崩壊を防ぐため、看護師が働きすぎない環境を作る・看護師のプライベートの人生も充実させることが出来るよう、ワークライフバランスを取ることが盛んに言われ始めています。
看護師の勤務形態の見直しや、労働負荷の軽減。子育てや介護などを抱える特殊な事情を持つ看護師に対して短時間労働を認めるなど、様々な点から改善していく方向に向かっています。
とはいえ、現在、慢性的な看護師不足によって、退職者の穴を埋めるため、つらい環境の中必死で務めている人もたくさんいます。
『いつ倒れてもおかしくない…』『もう時間の問題…』
そのようにギリギリの状態の方もたくさんいます。一刻も早い看護師の労働条件の改善が全国的に一斉に行われることを願います。
● 夜勤の軽減
看護師で最も身体的につらいと感じるのは夜勤と不規則な勤務形態ではないでしょうか。
人手不足のため、夜間は50人ほどの患者さんを3人で看護師するのがふつうの状態です。超高齢化が進み、寝たきりの入院患者さんが多くなりのトイレのお世話や転倒防止のブザーが鳴り、夜間ひっきりなしに走り回らなければなりません。
休憩時間は確かにありますが、実際は長椅子にちょっと横になる程度で体の疲れをいやすことはできません。結局、記録などの業務をこなすことが出来ずに翌日昼頃まで勤務超過してしまうというのが現状だそうです。
多くの看護師さんが、眠気を白衣を着ることで吹き飛ばし、何とか患者さんのために頑張ってくれています。
● 夜勤のきつさを軽減するために
組み替えることで、同じ勤務時間でもつらさを軽減することが出来ます。
日勤⇒準夜勤⇒深夜勤と、次第に勤務時間が遅くなっていく流れで勤務すると、よく眠ることができますので、疲れがたまりにくくなります。
つらい組み合わせが、日勤⇒深夜・準夜⇒日勤です。前の勤務よりも早い時間になると、すぐに寝付くことが出来ずつらさがたまっていきます。
体内リズムに逆行する組み合わせの時は、次の日に休日と組み合わせ、十分な睡眠を余裕をもってとり、体を回復させる時間の保障をすることが大切です。
● 勤務体制・二交代制・三交代制
三交代制勤務」だけでも大変だと思いますが、現在二交代制勤務」に移行している病院もあります。一度に16時間もぶっ続けで仕事をするという過酷な勤務体制です。休憩時間がより多くとれるためかえって楽になるに違いないといううたい文句でしたが、実際に移行された方ははじめのころ非常につらかったと話しています。
労働基準法をどう解釈するかということですが、非常に問題であるとして、看護師の労働条件の改善について国が率先して整備し、法律化するべきだという運動もおこっています。それを受けて国のほうでも少しずつ看護師の労働条件の見直しを始めています。
● 病院の取り組み例
労働条件の見直しを積極的に取り入れている病院も増え始めました。
勤務形態を一律二交代制勤務か三交代制勤務にするのではなく、複数の勤務形態を導入しています。自分で勤務の形態を選ぶことが出来る利点があります。
日中、特に看護師を多くする時間帯にそれぞれの勤務形態の人が少しずつ重なるように調整して引継ぎをしやすくし、夜勤や深夜勤の時間を短縮する病院もあります。
● 転職をする際には
労働条件の改善が間に合うかもしれません。できれば慣れ親しんだ病院で勤務したいものです。あと少し我慢すると、病院も改善の方向に進むかもしれません。
けれども心身ともに燃え尽きる寸前と感じる方は、転職を考えるかも知れません。その際には、労働条件について転職支援会社を利用し、口コミや病院の情報をできるだけ集めてください。そして、必ず決定する前に自分自身で病院を仮受診してみましょう。実際に行ってみると院内の雰囲気や看護師同士の連帯感など肌で感じることが出来るでしょう。
『行ってみたら大違い。前の病院のほうが楽だった… 』こうなってしまわないように、必ず現場に行ってみてください。
★ 多くの地方自治体「国の責任において看護師などの夜勤・交代制労働者の労働条件改善を推し進める必要がある」として、議案書を提出
⇒ http://aichi-irouren.jp/topics/120405-145453.html
★ 三交代制から二交代制に変わりそう
⇒ http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2007/0828/144460.htm?o=0
★ 過酷な夜勤はもう耐えられない
看護師の職場を救いたい
⇒ http://diamond.jp/articles/-/19748